2014/12/12

被ばく健康調査助成 市町村格差に不満 ゼロから全額まで /茨城


 東京電力福島第1原発事故による被ばくの健康調査を巡り、公費助成の市町村格差に不満の声が上がっている。甲状腺超音波検査や内部被ばくを測るホールボディーカウンター検査が自己負担ゼロの市町村がある一方、大半の市町村は助成ゼロとなっており、県に格差是正を求める声も出ている。
 県南に住む臨床検査技師の女性(35)は2012年夏、長女(6)、長男(3)に甲状腺超音波検査を受診させた。費用は一人約7000円。これから年1回は検査する予定だが、女性の住む自治体では助成がないという。女性は「住む市町村で格差があるのは憤りを感じる。市町村や県は市民の不安を聞いてほしい」と訴える。
 県によると、県内市町村では10月現在、甲状腺超音波検査は東海村や高萩市、北茨城市など4市町村が無料とし、かすみがうら市や龍ケ崎市、常総市など5市が1回3000〜5000円を助成する。また、ホールボディーカウンター検査は牛久市と大子町が無料。つくば市など3市が1回3000〜5000円を助成する。
 健康調査の実施について、県保健福祉部の森戸久雄部長は「現時点で必要ないと判断している。不安があるのは分かるが、根拠なく調査すれば、かえって不安をあおることにもなる」と説明。市町村格差についても「県が動ける状況にない」と静観の構えだ。
 常総生協(守谷市)は2013年秋、子どもの甲状腺検査を行うため、「関東子ども健康調査支援基金」を設立。検査機器を購入し、11月末までに2543人が受診した。費用は無料だが、基金へのカンパ1500円を求めている。
 同基金を活用し、長男(3)の検査を受けた守谷市の飲料配達業、板子育恵さん(31)は「本来は民間ではなく、行政が子どもの甲状腺検査を行うべきだ。県議選候補者にも県民の命をつなぐ子どもたちを自分の子や孫と同じように考え、行政に働きかけてほしい」と訴えている。

http://senkyo.mainichi.jp/news/20141212ddlk08010125000c.html
毎日新聞 
2014年12月12日 地方版


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