2016/03/31

36年度までに技術開発 除染廃棄物の減容、再生へ戦略案 環境省 /福島


2016年3月31日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016033129942

東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物の減容と再生利用に向け、環境省は平成36年度までに基本的な技術開発を終え、最終処分が必要な量や処分施設の面積を提示するとした戦略案をまとめた。最終処分地の選定や施設整備は37年度以降に対応する。近く正式決定する。

30日に東京都内で開いた有識者検討会で示した。戦略案の主な工程は【表】の通り。

減容処理などで放射性物質濃度を下げた土を公共事業で使い、最終処分量を減らす取り組みを盛り込んだ。技術開発は除染土壌を放射性セシウムが付着しやすい粘土などと、砂や小石に分ける「分級処理」を優先的に実用化させる方針。30年度の技術確立を目指す。土壌の化学処理や熱処理などの高度な技術開発は36年度までに完了させる。

県外での最終処分に向け、処分施設の構造や必要な面積などの検討を進める。最終処分量は減容技術の確立などで「9割以上削減できる可能性がある」と指摘した。

ただ、最終処分地の選定や施設整備などの具体的な工程は現時点で示すのが困難とした。技術開発や再生利用の方向性を踏まえ、36年度までに示すため「最大限努力する」と記した。

環境省は除染廃棄物の減容や再生利用と並行し中間貯蔵施設の整備を進める。用地取得は難航しているが、32年度末で建設予定地の最大7割まで取得可能と見込んでいる。


ヒメマス漁など4年ぶり再開へ 自粛要請取り下げ /福島

2016年03月31日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160331/ddl/k07/040/337000c

県は30日、原発事故で釣りや漁の自粛を求めていた金山町の沼沢湖特産のヒメマスが、食品衛生法で定める放射性物質の基準値を安定的に下回ったとして、自粛要請を取り下げたと発表した。約4年ぶりに釣りや漁が可能になる。

ヒメマスは県内では沼沢湖だけに生息。動物プランクトンやユスリカの幼虫などを食べ、釣り客にも人気がある。県によると、事故後、基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える魚もみられたが、2014年8月以降、基準値超えは出ていない。

国の出荷制限の対象にはなっていなかった。地元漁協が再開時期を検討する。




ヒメマス漁を再開へ 4年ぶり、金山町の沼沢湖特産

2016年03月31日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160331-062277.php

県は30日、東京電力福島第1原発事故で釣りや漁の自粛を求めていた金山町の沼沢湖特産のヒメマスが、食品衛生法で定める放射性物質の基準値を安定的に下回ったとして、自粛要請を取り下げたと発表した。約4年ぶりに釣りや漁が可能になる。

ヒメマスは県内では沼沢湖だけに生息。動物プランクトンやユスリカの幼虫などを食べ、釣り客にも人気がある。

「放流のかいあった」鈴木沼沢漁協組合長

ヒメマスの自粛要請の取り下げを受けて、沼沢漁協の鈴木茂組合長(66)は「自粛解除にはもっと長い時間がかかると思いながらも、ヒメマスを放流し続けてきたかいがあった」と発表を喜んだ。ヒメマス漁の解禁日は今後開かれる総会で協議される。鈴木組合長は「一日も早く多くの人が釣りを楽しみ、ヒメマスを味わえるよう頑張りたい」と話した。

放射性汚泥 泉田知事「具体化を」 東電が再利用検討/新潟

2016年3月31日 新潟日報
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20160331244754.html 

泉田裕彦知事は30日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故で出た放射性物質を含む県内の汚泥の一部について、東電が再利用を含めて対応を検討する方針を示したことに対し「まずは第一歩。(方針を)具体化してほしい」と述べた。

知事は「管理能力がある人がしっかり管理すべきであると考えている」とし、東電が引き取るべきだとの考えをあらためて強調。「今まで放射性物質を扱ったことがない市町村で管理することが、国際的に見てきっちりやっていることになるのかという点も含めて問題がある」と指摘した。

県によると、県内では現在、県企業局が約4万7千トン、そのほかの7市2団体が計約2万8千トンの汚泥を保管している。東電は28日に汚染濃度が基準を下回る汚泥を買い取り、再利用などを検討する方針を県に伝えた。

タケノコの出荷制限が6地区で解除 /岩手

2016年03月31日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160331/ddl/k03/040/083000c

県は29日、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響で2013年4月から続いていた陸前高田市産のタケノコの国による出荷制限が、旧気仙町など6地区で解除されたと発表した。解除されたのは、ほかに旧広田町、高田町、小友村、竹駒村、米崎村の5地区。

県林業振興課によると、昨年5〜7月に実施された陸前高田市のタケノコの検査で、市全域で基準値(放射性セシウムが1キロあたり100ベクレル)以下となり、今回解除が決まった6地区の検出値は平均同10ベクレルだった。しかし、旧横田村など2地区では最大で同81ベクレル検出された。

県内でのタケノコの出荷制限は、同市の旧矢作村と横田村の2地区と一関市、奥州市の全域で続いている。

原発事故自主避難者が訴訟で陳述 「極限状態」、千葉

2016年3月31日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016033101001147.html

東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県の避難指示区域外から千葉県に自主避難した6世帯20人が、国と東電に計2億2千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が31日、千葉地裁(鹿子木康裁判長)で開かれ、原告が「体力的、精神的に極限状態になった」と意見陳述した。

原告の一人で、福島県南相馬市原町区から千葉県四街道市に家族で避難した女性(37)は「国が一方的に線引きした避難区域外から逃げたため、損害賠償がまともに受けられていない」と声を震わせた。国と東電側は請求棄却を求めた。

帰還世帯7割に増 都路、避難指示解除2年 /福島

2016年3月31日 福島民報

東京電力福島第一原発事故に伴い、田村市都路町東部に出されていた避難指示が解除されて1日で丸2年を迎える。市の調査では、旧避難指示解除準備区域(113世帯333人)に帰還した世帯の割合は世帯数で約7割、住民数で約6割に上る。地元商工会や農業関係者らを主体とした地域再生の動きが徐々に見え始めている。

■帰還支援
都路町は福島第一原発から半径20キロ圏内の東部地域が警戒区域に設定され、避難指示解除準備区域を経て、平成26年4月1日に解除された。昨年2月末までに戻ったのは58世帯146人。今年2月末には78世帯203人が帰還し、この1年間で20世帯57人増えた。市は自力で自宅を修繕するのが難しい単身高齢者ら向けの公的賃貸住宅12戸を都路町中心部に建設中で、帰還希望者への支援を進めている。

■若者対策
子育て世代をはじめとした若者の帰還促進を図ろうと、都路町商工会を中心とした都路六次化実行委員会は今月24日、洋菓子店「みやこじスイーツゆい」を都路町岩井沢に開店した。子育て世代の女性の働く場をつくり、家族での帰還を狙う。同商工会の渡辺辰夫会長(63)は「子どものいない地域は復興できない。若いお母さんに地元に戻ってもらい、子どもを育ててほしい」と期待を寄せる。

■直売に期待
都路町の住民の多くは農業に従事していた。市によると、米価の下落などが要因となり、旧避難指示解除準備区域で平成27年度までに稲の作付けを再開したのは4割に満たない。

地元の農家有志は休業農家の営農意欲を高めようと、昨年11月から仮設商業施設「Domo(ど~も)古道店」で農産物直売所の社会実験を始めた。金、土曜日の週2回、地元の新鮮な農産物が並ぶ。今年2月には直売所運営委員会を立ち上げ、さらなる規模拡大を模索している。

都路地域行政区長連合会長で農業を営む吉田修一さん(60)は「直売所の利用者を増やし、農作物の風評払拭(ふっしょく)や地域の交流の場にしたい」と未来を描いている。

農産物直売所が設けられている「Domo古道店」

県外避難338人減 前月比 /福島

2016年3月31日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016033129960

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う県民の県外避難者数(自主避難者を含む)は3月10日現在、4万2801人で前月調査時(2月12日)に比べ338人減った。県が30日、発表した。

都道府県別の避難状況は【表】の通り。東京都が最多の5559人で、次いで埼玉県4545人、茨城県3716人、新潟県3504人、山形県3121人となっている。

県内避難者数は3月9日現在、5万4174人。避難先不明者は20人で、県内外合わせた避難者数は9万6995人。








子ども甲状腺検診、那須塩原で5月8日 /栃木

2016年03月31日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160331/ddl/k09/040/245000c

東京電力福島第1原発事故に伴う放射線の健康影響問題に取り組んでいる市民団体「311『つながる、つたえる、そして未来へ』集い実行委員会」(田代真人実行委員長)が5月8日、那須塩原市上厚崎の厚崎公民館で「子ども甲状腺検診」を開く。那須町、那須塩原市、大田原市在住で2011年3月11日当時、18歳以下だった人が対象。受診無料。先着100人で、4月5日から受け付けを始める。問い合わせは田代さん(080・1002・4504)。

実行委は2015年3月に那須塩原市で、同6月に那須町で検診を実施しており、今回が3回目。

原発事故の健康影響を調べる福島県の調査で見つかった子どもの甲状腺がんや疑い例は、全国の発症者の割合から推計される患者数に比べて多い。多くの専門家は多人数を対象に精密な検査をしたことによる「過剰診断」が主な原因とする。一方、被ばくが主因と考える専門家もいる。

実行委が今月27日に開いたシンポジウムでは、今後の議論の参考にしてほしいと、双方の立場の専門家を招き意見を聞いた。田代さんは「放射線は福島と栃木の県境で止まったわけではない。被害があるかどうか実態を調べるため、栃木でも継続して検診を実施すべきだ」と話している。

野生鳥獣:出荷制限続く 原発事故後9県、名産品計画頓挫

2016年03月31日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160331/k00/00e/040/237000c

東京電力福島第1原発事故後、東日本の9県でイノシシなど7種の野生鳥獣の出荷制限が続いている。放射性セシウムの濃度が国の定める基準値(1キロ当たり100ベクレル)を安定的に下回らないためで、事故から5年経過しても出荷制限が全面解除された例はない。肉を加工して地元の名産品にする計画も各地で頓挫している。

原発事故でセシウムは広範囲に降り注ぎ、環境省は最大で8県の104市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定。市町村が除染計画を策定して除染を行ってきたが、森林はほとんど手つかずのままだ。厚生労働省によると、野生鳥獣の出荷制限は福島以外に岩手、宮城、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、新潟の各県で続く。

原発事故は、農業被害をもたらす野生鳥獣が増えて、各地で食肉利用を模索する中で起きた。群馬県中之条町の「あがしし君工房」は農業被害をもたらすイノシシを食肉やサラミ、コロッケなどの特産品に加工する施設として、同町や地元JAが2007年から運営を始めたが、出荷制限の影響で12年秋から休業が続く。

大きな影響を受けたのが、イノシシ肉の鍋を冬場の目玉として観光客に振る舞っていた同町の四万(しま)温泉。36軒の温泉宿が加盟する四万温泉協会の関良則会長(51)は「旅館が競い合ってオリジナルの鍋を出し合い、観光客にも定着し始めたタイミングで事故が起きた」と残念がる。

宮城県丸森町の農家らでつくる「丸森自然猪利用組合」が、イノシシ肉を販売するため10年2月にオープンさせた「いのしし館」も11年8月に閉鎖に追い込まれた。岩手県大船渡市の第三セクター「三陸ふるさと振興」が、ニホンジカの肉を使って09年から売り出した人気商品「けせんしかカレー」はシカ肉に出荷制限がかかったため、製造中止のままとなっている。

山中を動き回る野生動物の出荷制限は、県単位でかけられている。全頭検査した上で基準値を下回った個体のみ出荷できる。【尾崎修二】


放射性セシウム濃度 安定的に下回らず

野生鳥獣の放射性セシウム濃度は、個体ごとのばらつきは大きいものの減少傾向にある。栃木県那珂川町の食肉加工施設ではイノシシの全頭検査が行われているが、2012年度と15年度のセシウム濃度を比較すると、12年度は最大で1キロ当たり1100ベクレルだったが、15年度は340ベクレルに低下した。

千葉大の村上正志准教授(群集生態学)によると、落ち葉に降り注いだセシウムは、時間がたつにつれ土壌の粘土粒子に吸着し、生物が取り込めない状態になる。このため、野生鳥獣のセシウム濃度が、半減期に従った「自然減衰」より速いペースで下がっているという。一方、村上准教授は「セシウム濃度は個体差が大きく、出荷制限の解除条件である『安定的に基準を下回る』をクリアするには時間を要する。那珂川町でも10年前後かかるのではないか」と指摘。厚生労働省の担当者は「出荷を進めるには全頭検査してもらうしかない」と話している。【尾崎修二】

検証委、川内東部の避難解除「妥当」 村長「時期こだわらない」/福島

2016年03月31日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160331-062309.php 

東京電力福島第1原発事故で避難指示解除準備区域となっている川内村東部について、有識者らでつくる帰還に向けた検証委員会(委員長・高村昇長崎大教授)は30日、村に対し、除染による放射線量の低減や生活インフラの改善が進み、住民帰還への環境は整っているとして「避難指示解除は妥当」と答申した。

高村委員長から村役場で報告書を受けた遠藤雄幸村長は「答申の内容を精査し(避難指示解除について)国と協議していく。住民にも分かりやすく説明する」と語り、答申の内容や国との協議を踏まえ、4月以降に住民説明会を開く考えを示した。解除時期について「春以降でタイミングにはこだわらない」とした。

答申によると、除染の効果で、空間放射線量が大部分で毎時0.8マイクロシーベルトを超える世帯はないと報告。比較的線量が高い地点も一部に散在し、局地的な除染や遮蔽(しゃへい)のための覆土などの適切な対応が必要と指摘した。

放射線による健康影響については、避難指示解除を判断するための準備宿泊で1人の個人線量計を使って推計した結果、追加被ばく線量は年間1.6ミリシーベルト程度で「低いレベル」と評価した。ただ、対象が1人にとどまっており、今後も被ばく線量を基にきめ細かな相談対応を充実すべきだとした。

福島に「被ばく者手帳を」 医療補償求め市民団体発足

2016年3月31日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016033102000143.html

東京電力福島第一原発事故の被災者向けに「被ばく者手帳」を国に交付させ、医療や健康診断を無料で受けられるようにしようと、「福島に被ばく者手帳を作る会」が設立された。四月十六日午後一時からビッグパレットふくしま(郡山市)で設立説明会を開き、会員や賛同者を広く募る。 (坂本充孝)

現在、福島県は十八歳以下の医療費は無料。さらに事故後に始まった県民健康調査で事故当時十八歳以下で甲状腺がん、その疑いがあると診断された人には、調査名目の予算で手術費などをサポートする制度がある。しかし、これを超える年齢の県民には原発事故に関わる特段の医療費補助はない。

「作る会」の発起人代表は、郡山市で広告代理店を経営しフリーペーパーを発行する三田公美子さん。顧問に佐藤彌右衛門・会津電力社長、吉原毅・城南信金相談役、河合弘之弁護士、民俗学者赤坂憲雄氏らが名を連ねる。

設立趣意書によると、会の目的は、原発事故で放射線被害を受けた福島県民に、原爆被ばく者と同等の公的医療保障を確保するよう国に要求し、法律を作らせることや、恒久安定的な制度として実行させることなど。

具体的には、被災の証明書ともなる手帳を交付させ、手帳を提示した者が、全国で医療費を免除され、無料健康診断を受けられる権利の取得を目指す。

手帳交付の対象者は、原発事故当時に福島県にいた人、事故後に救助、収束作業などで福島県に入った人が中心。細かな線引きは今後の議論で詰める。三田さんによると、現在の会員は約五百人。県外からの賛助会員も集まっているという。

三田さんは「原発政策を容認し、環境を汚した責任は日本人すべてにある。特に子どもたちには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。国は原発事故による健康被害の存在を一切認めないが、将来にわたって補償させる制度を、子どもたちへの謝罪として作っておきたい」と話している。

問い合わせは、三田さんが経営する企画室コア=電024(961)8822。

[日報ダイジェスト] 厚労省日報ダイジェスト3月22日(第973報)

(世田谷守る会のマダムトモコの厚労日報ダイジェストを転載させていただきます。こちらから購読可能です。http://goo.gl/RQ3mze メルマガで送信されてきますので、ぜひ登録して「知る」ことからはじめましょう。 子ども全国ネット)

【ダイジェストの読み方】 ダイジェストでは検出例だけを羅列するのではなく、子ども達の給食はじめ皆さんの身近にある食材の「状況」をお知らせしています。

ご覧になるときには○○Bq/kg」と赤字になっているものは検出
NaIまたはGeなど検査方法の冠がつき、「未満」の文字で終わり黒字または青字のものは「不検出」というふうにご覧ください。みなさんそれぞれの「ものさし」を持ち、ベストの選択ができますように。

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おはようございます。厚労省日報ダイジェスト3月22日(第973報)です。

【水産物】 マダラ青森県7検体のうち2検体から、岩手県4検体のうち1検体からいずれも1Bq/kg未満の微量の検出が報告されました。スズキ宮城県3検体のうち1検体から1.5Bq/kgが検出され、ヒラメは3県沖合計4検体いずれも限界値未満の不検出です。その他海産物では、宮城県沖メカジキから0.35Bq/kgの検出がありました。淡水魚はウグイが多く検査され、宮城県気仙沼市(大川支流二十一川)の2検体から4.2および6.3Bq/kg、栃木県那須町(余笹川)の1検体から8.4Bq/kg、那須塩原市(那賀川)の1検体から6.8Bq/kg、大田原市(那賀川)の1検体から7Bq/kgの検出が報告されました。岩手県雫石川水系では23点が検査され、いずれも限界値未満の不検出でした。汚染状況を見るには、いつもこのくらいの検体数があるべきと思います。

【農産物】 原木シイタケ岩手県9検体のうち6検体から最大18Bq/kg、宮城県は7検体すべてから最大30Bq/kg、栃木県30検体のうち5検体から最大18Bq/kg、群馬県では1検体のみの検査で13Bq/kg、埼玉県の2検体は5および6.6Bq/kg、千葉県では6検体すべてから最大22Bq/kgが検出されました。菌床シイタケ栃木県4検体のうち3検体から最大5.8Bq/kg、他の栽培キノコ類は、栃木県高根沢町マイタケから7.7Bq/kgが検出されています。その他農産物では千葉県の一部でタケノコのサンプリングが行われ香取市、佐倉市、四街道市、市原市、真岡市でそれぞれ2.4~6.4Bq/kg多古町では23Bq/kgの検出が報告されました。栃木県栃木市の1検体はGe8.2Bq/kg未満の不検出です。

【畜産物・乳製品その他】 野生鳥獣肉宮城県群馬県基準値超過が多数報告されました。中でも宮城県村田町野生イノシシ3800Bq/kgと、近頃の検査の中では飛びぬけて高い数値です。その他詳しくは、整理したデータをご覧ください。牛肉は、岩手県産370検体のうち1検体から11Bq/kgが検出されました。


世田谷こども守る会
事務局 堀


厚労省日報ダイジェスト3月22日(第973報)

※ 基準値超過(6件)
No.2533,2534 :宮城県産イノシシ肉(Cs:3800,120 Bq/kg)
No.4865,4872:群馬県産ニホンジカ肉(Cs:150,110 Bq/kg)
No.4871 :群馬県産イノシシ肉(Cs:130Bq/kg)
No.4874 :群馬県産ツキノワグマ肉(Cs:140Bq/kg)

【水産物】
北海道・マダラ Ge23Bq/kg未満
青森県・マダラ7検体 うち2件 0.79および0.94Bq/kg
岩手県・マダラ4検体 うち1件 0.56Bq/kg
宮城県・マダラ6検体 いずれもGe0.86~NaI 25Bq/kg未満
茨城県・マダラGe0.96Bq/kg未満

宮城県・スズキ3検体 うち1件 1.5Bq/kg

秋田県・流通品ヒラメ Ge0.91Bq/kg未満
宮城県・ヒラメ2検体 Ge7.2および7.7Bq/kg未満
茨城県・ヒラメ Ge8.7Bq/kg未満

北海道・その他海産物6検体 いずれもGe5.9~NaI 23Bq/kg未満
青森県・その他海産物12検体 いずれもGe0.82~CsI 25Bq/kg未満
岩手県・その他海産物29検体 いずれもGe0.73~16Bq/kg未満
宮城県・その他海産物41検体 うち1件(メカジキ) 0.35Bq/kg
茨城県・その他海産物11検体 いずれもGe0.84~15Bq/kg未満
千葉県・その他海産物9検体 いずれもGe0.53~1.5Bq/kg未満
東京都・その他海産物3検体 いずれもGe1.9~16Bq/kg未満
神奈川県・その他海産物3検体 いずれもGe4.7~4.9Bq/kg未満

青森県・その他水産物4検体 いずれもGe0.83~11Bq/kg未満
岩手県盛岡市(雫石川水系)・ウグイ23検体 いずれもGe6.9~12Bq/kg未満
岩手県花巻市(稗貫川水系)・ウグイ2検体 Ge10および11Bq/kg未満
宮城県気仙沼市(大川支流二十一川)・ウグイ2検体 4.2および6.3Bq/kg
宮城県気仙沼市(大川支流二十一川)・ヤマメ3検体 いずれもGe7.0~8.6Bq/kg未満
栃木県那須町・ウグイ2検体 うち1件(余笹川) 8.4Bq/kg
栃木県那須塩原市・ウグイ2検体 うち1件(那賀川) 6.8Bq/kg
栃木県大田原市・ウグイ2検体 うち1件(那賀川) 7Bq/kg
千葉県香取市(利根川)・ギンブナ Ge8.0Bq/kg未満
埼玉県・流通品マス Ge2.2Bq/kg未満

【農産物】 
岩手県・原木シイタケ9検体 うち6件 6.9~18Bq/kg
宮城県・原木シイタケ7検体 すべて15~30Bq/kg
栃木県・原木シイタケ30検体 うち5件 3.8~18Bq/kg
群馬県・原木シイタケ 13Bq/kg
埼玉県・原木シイタケ2検体 5および6.6Bq/kg
千葉県・原木シイタケ6検体 すべて3.1~22Bq/kg

新潟県・菌床シイタケ3検体 Ge6.5~7.9Bq/kg未満
群馬県・菌床シイタケ Ge17Bq/kg未満
栃木県・菌床シイタケ4検体 うち3件 4.4~5.8Bq/kg
栃木県高根沢町・マイタケ 7.7Bq/kg

栃木県栃木市・タケノコ Ge8.2Bq/kg未満
千葉県香取市・タケノコ 4.2Bq/kg
千葉県佐倉市・タケノコ 6.4Bq/kg
千葉県四街道市・タケノコ 4.9Bq/kg
千葉県市原市・タケノコ3検体 すべて2.4~3.6Bq/kg
千葉県真岡市・タケノコ 5.7Bq/kg
千葉県多古町・タケノコ 23Bq/kg

【畜産物・乳製品その他】
宮城県村田町・野生イノシシ 基準値超過(3800Bq/kg)
宮城県白石市・野生イノシシ 基準値超過(120Bq/kg)
群馬県前橋市・野生ニホンジカ3検体 うち1件基準値超過(150Bq/kg)
 他2検体 28および95Bq/kg
群馬県片品村・野生ニホンジカ2検体 うち1件基準値超過(110Bq/kg)
 他1検体 57Bq/kg
群馬県片品村・野生イノシシ 基準値超過(130Bq/kg)
群馬県桐生市・野生ツキノワグマ 基準値超過(140Bq/kg)
群馬県安中市、嬬恋村・野生ツキノワグマ 65および67Bq/kg
群馬県沼田市・野生ニホンジカ 44Bq/kg

岩手県・牛肉370検体 うち1件 11Bq/kg


<福島で生きる>不明の夫 子どもと待つ

2016年3月31日 河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201603/20160331_63003.html

◎女性と原発事故(3)育てる 門馬麻野さん
3人の娘を持つ親として、放射能が怖くないと言ったらうそになる。でも、ひとり親になって、見知らぬ土地では暮らせない。

福島県南相馬市鹿島区に住んでいた門馬麻野さん(37)は、東日本大震災の津波で夫孝文さん=当時(35)=が行方不明になった。同居していた義父礼次郎さん=同(63)=、義母美津子さん=同(56)=も行方が分からなくなくなった。

同市原町区の実家で暮らす。パート勤めをしながら長女泉月(みづき)さん(14)と次女佑さん(11)、三女咲和(さわ)さん(7)を育てる。

震災発生から丸5年を翌日に控えた今月10日。佑さんのバースデーケーキが食卓を飾った。5年前と同じ特大サイズ。震災前の平穏な日々を思い出した。

仕事と娘たちの送迎の合間に洗濯物を干す門馬さん
=13日、南相馬市原町区

あの日、孝文さんは消防団活動のため家を飛び出していった。翌日、「孝文さんが流された」との話を聞いた。遺体安置所を回り始めた直後、東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた。

原発から30キロ圏にある原町区の実家に1度、身を寄せた。屋内退避指示が出され、両親と宮城県に逃げた。両親に疲れが見え始めた。孝文さんらも捜したい。3月下旬、実家に戻った。

絶望感にとらわれながら遺体安置所を回ったが、一向に会えない。

夢を見て泣いた。重い荷物を抱えたまま、駅舎で孝文さんに置いて行かれる夢。寝ながら泣き言を口にしているかもしれない。娘たちの寝息が聞こえた後、別の部屋で布団をかぶった。

休日には比較的空間放射線量が低い仙台などに足を伸ばした。両親に連れられて楽しげに歩く子どもたち。「自分たちもちょっと前まではあんなふうだったのに…」。目を背けた。

2014年夏、事故当時18歳以下の子どもを対象にした福島県の甲状腺検査で、佑さんにのう胞が見つかった。悪性ではなかったが、前の検査では何も見つからなかったから、急に不安になった。事故直後のように、コメや野菜は県外産を選び、手洗いを徹底させた。

震災の年、福島で子育てする女性として取材を受けたことがある。インターネットの匿名の書き込みを見て傷ついた。<福島で子育てするなんて、子どものことを考えていない親だ>

できるならもっと放射線量の低いところで育てたいと思う。でもイチかバチか飛び出して、自分が倒れたら、娘たちが路頭に迷ってしまう。県外に頼れる人はいない。金銭的な余裕もない。

最愛の人が亡くなったことを今も受け入れられない。「もっと前向きに」とたしなめる人がいる。諦めることが前を向くことではないと思う。いつか「ただいま」と帰ってきたときのためにも、福島で生きていく。


          ◇         ◇         ◇
東京電力福島第1原発事故から5年が過ぎた。福島から県外へ避難する人がクローズアップされる一方、県内には約96万人の女性が住み、働き、結婚し、子育てに励んでいる。福島で暮らし続ける女性たちを取材した。(福島総局・桐生薫子)

2016/03/30

【報道まとめ】除染廃棄物の減量と低濃度(8000Bq/kg以下)の土を再利用計画

除染廃棄物 減量技術計画案…低濃度の土は再利用 環境省


2016年3月30日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160330/k00/00e/040/220000c

東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の汚染土などの除染廃棄物について、環境省は30日、減量や再生利用に向けた技術開発計画案を有識者検討会で公表した。2018年度までに、放射性物質の濃度に応じた土の振り分け処理システムの開発や再生利用手引の作成を終え、24年度までに最終的に減量できる量を見極める。

除染廃棄物は最大2200万立方メートルになると見込まれ、同県大熊、双葉両町に建設する中間貯蔵施設(1600ヘクタール)に保管する。15年3月から試験輸送が始まり、30年以内に県外に運び出す方針だが、最終処分先は決まっておらず、減量や再生利用促進が課題だ。

放射性セシウムは細かい粒子に付着しやすいことが知られており、土の振り分けシステムでは、大きな粒の砂などと、細かい粒子との分離を目指す。また、土壌から重金属を分離する既存技術をセシウムに応用する。

その上で、低濃度の土を公共事業の盛り土などに再利用することを想定し、追加被ばく量が年1ミリシーベルトを超えないよう用途や必要な放射線遮蔽(しゃへい)対策などを検討し、手引にまとめる。19年度以降は高濃度廃棄物に対し、熱処理や化学処理を通じた濃度低減などを試みる。

環境省の担当者は「コストや需要などを度外視すれば、論理的には9割以上を再利用できる可能性がある。社会的な理解をどう得ていくかの取り組みも重要になる」と話す。【渡辺諒】





汚染土壌 放射性物質除去技術開発、最終処分場の構造など検討へ

2016年3月30日 FNNニュース
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00320233.html

除染で出た土壌などについて、10年程度で放射性物質を除去する技術を開発し、最終処分場の構造などを検討する方針。

福島県内で放射性物質に汚染された土壌などの廃棄物は、中間貯蔵施設に搬入されたのち、30年後に、福島県外に最終処分場を作る予定。

環境省は、検討会で今後、10年程度で放射性物質を除去する技術を開発するとともに、最終処分場の構造や、必要な敷地面積を検討する方針を示した。

汚染された土壌などは、最大で2,200万立方メートル発生するとみられているが、環境省は、想定されている技術が開発されれば、自然に減少する分もあわせて、30年後には、10万から4万立方メートル程度にまで減らせると試算している。



環境省試算 除染の土、約9割を再利用可能

2016年3月30日  日テレニュース
http://www.news24.jp/articles/2016/03/30/07326097.html

東京電力・福島第一原発事故に伴う除染で出た福島県内の土などの処分について、環境省は30日、技術的には発生量の約9割を再利用できるとする試算とともに、「可能な限り再利用し、最終処分する量を減らす」などとする基本的な方針を正式に取りまとめた。

政府は、福島県内の除染で出た大量の放射性物質を含む土などを、福島県の大熊町と双葉町にまたがる地域に建設予定の中間貯蔵施設で保管し、30年以内に福島県外で最終処分する方針だが、どこでどのように最終処分するかは、まだ決まっていない。

除染で出る土は東京ドーム約20杯分、約2200万立方メートルと試算されているが、環境省が30日に取りまとめた方針では、現時点での減容化技術を全て使えば、技術的にはこのうち約9割が放射性物質の濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下となり、再利用できるようになるという。

環境省は土木工事などの公共事業で可能な限り再利用し、最終処分する量を減らすことを基本方針としていて、来年度以降、再利用のモデル事業を始めたいとしている。ただ、実際に再利用先が見つかるかなど、課題が多く残されている。




福島県内の原発事故汚染土は9割再利用可能 環境省

2016/03/30  テレビ朝日ニュース
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000071492.html

環境省は、原発事故で生じた福島県内の汚染された土の9割が再利用できるという試算結果をまとめました。

福島第一原発の事故により放射性物質に汚染された福島県内の約2200万立方メートルの土などは、中間貯蔵施設に保管され、30年以内に県外で最終処分されることになっています。環境省は、土の中にある放射性物質を熱などで分離することにより、9割以上を再利用できる可能性があるとする試算結果をまとめました。そのうえで、必要な技術を今後10年間で開発し、放射性物質の濃度を1キロあたり8000ベクレル以下にまで減らした土を土木工事などの公共事業で使う計画を明らかにしました。一方、再生できない土の最終処分場については10年以内に具体的な選択肢を示すとしています。

環境回復の継続提言 放射線健康影響「懸念なし」 川俣・山木屋除染等検証委 /福島

2016年30日 福島民報
https://www.minpo.jp/news/detail/2016033029939 

放射線防護の専門家でつくる川俣町山木屋地区除染等検証委員会(委員長・伊藤哲夫近畿大原子力研究所長)は29日、東京電力福島第一原発事故で避難区域となっている山木屋地区の住民帰還に向け、環境回復に継続して取り組むよう町に提言した。

提言は除染の成果などを検証した最終報告書に盛り込んだ。昨年7月の中間報告で挙げた放射線量マップの作成、里山の放射線対策などに加え、除染廃棄物の仮置き場整備、営農再開への農業基盤整備、放射線測定体制の充実を求めた。

一方で最終報告書は帰還後の住民の放射線被ばくについて、あらためて「健康影響が懸念されるレベルにない」と結論付けた。今年1月現在の同地区の空間線量率の最大値は毎時1.00マイクロシーベルト。1日の屋外滞在時間を6.5時間と推定した場合、平成28年の年間追加被ばく線量は3.1ミリシーベルトで、避難の基準となった20ミリシーベルトを下回った。

昨年7月24日から10月31日に同地区の農業者ら17人が個人線量計で測定した年間追加被ばく線量は最大5.6ミリシーベルトだった。

町役場で最終報告を受けた伊藤智樹副町長は「空間線量が毎時0.23マイクロシーベルトを超えている地域もある。住民の安心確保のため引き続き環境回復に努めたい」とした。山木屋地区は国が6月以降の避難指示解除を目指している。




生活圏「健康影響、懸念なし」 山木屋除染検証委が最終報告

2016年03月30日 福島民友
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160330-062033.php 

避難区域となっている川俣町山木屋地区の除染効果などを検証する「山木屋地区除染等検証委員会」は29日、町に最終報告書を提出した。昨年7月の中間報告と同様、山木屋地区の年間追加被ばく線量推計値を公表した上で「生活圏の線量は健康影響が懸念されるレベルにはない」と評価した。

最終報告書では、原発事故による年間追加被ばく線量について、屋外で約6時間30分活動した場合、平均値が年間1.1ミリシーベルト、最大値は年間3.1ミリシーベルトと推計した。これまでの実測値などを基に年間追加被ばく線量を推計した。

検証委は昨年4月に発足、放射線の専門家ら6人で構成し、29日で解散した。

川俣町は最終報告を避難指示解除の判断材料の一つとする方針で、町中央公民館で最終報告書を受けた伊藤智樹副町長は「あらためて健康影響に懸念されるレベルにないと認識した」と受け止めた。

また、避難指示解除時期の判断について伊藤副町長は「古川道郎町長の復帰後に(避難解除の)議論が本格化する」と強調した。



山木屋の除染検証委最終報告

2016年3月30日 NHK福島

原発事故で避難指示区域となっている川俣町山木屋地区で除染の効果などを検証してきた町の委員会は、放射線量が下がったため今後の生活で「健康影響が懸念されるレベルにはない」とする最終報告書をまとめました。

川俣町が設置した検証委員会は、およそ1年間、山木屋地区の放射線量の推移などを確認しながら除染の効果や健康影響を調べ、29日に最終報告書をまとめました。

それによりますと、除染前の去年2月、平均で1時間当たり1点04マイクロシーベルトだった宅地内の放射線量は、ことし1月時点で平均0・36マイクロシーベルトとおよそ3分の1に下がったとしています。




また、山木屋地区で今後生活する人の推定の被ばく量は、ことし1年間の平均で1・1ミリシーベルトと、除染の目標のひとつだった年間20ミリシーベルトを大きく下回り、「健康影響が懸念されるレベルにはない」としています。

一方で、除染の長期的な目標である年間1ミリシーベルトに相当する1時間あたり0・23マイクロシーベルトを超える場所が残っていることから「住民の不安にこたえる対策が必要」だとしています。
川俣町は、この最終報告書などを参考に、入院中の町長が復帰する予定の5月中旬以降、山木屋地区の住民と避難指示の解除に向けた議論を始めたいとしています。