2016/06/12

県内避難者、松本で思い語る 原発事故5年3カ月/長野

 2016年6月12日 信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160612/KT160611FTI090007000.php


東京電力福島第1原発事故で長野県内に避難した人の支援グループ「手をつなぐ3・11信州」などは11日、「避難者の思いを伝える会」を松本市の信濃むつみ高校で開いた。事故の影響を懸念して松本市など県内に避難した4人が、5年余り前の東日本大震災と原発事故を振り返りながら、今の思いなどを語った。


福島県大熊町の自宅が帰還困難区域に指定され、北安曇郡白馬村に移り住んだ木村紀夫さん(50)は津波で妻と父を亡くした。次女は行方不明のままで、今も捜索するために大熊町に通う。木村さんは、震災直後は原発事故を含む被害情報が限られていたとし、「最後はそれぞれの判断が大事だった」と話した。


支援グループ代表を務める森永敦子さん(56)=松本市=は、自身も原発事故後に福島県西郷村から長野県内に避難した。事故直後、福島の人たちは「何も分からず、さまよった」といい、避難で「それまでの人間関係はぼろぼろになった。お金では解決できない問題」と指摘した。


避難者の1人は「事故がなければ良かったが、松本に来て良かったと思う自分もいる」、木村さんは「何ができるかを考え、これからの生き方を模索したい」と話した。


消防団員が放射能の影響で救出活動を断念せざるを得なかった体験などを基に作られたアニメ映画「無念」も上映した。



福島第1原発事故から5年が過ぎた今の思いを語る
長野県内への避難者たち=11日、松本市

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