2016/11/23

原発避難でいじめ 横浜市教委は専門職員を派遣せず

2016年11月23日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161123/k10010781611000.html?utm_int=news_contents_news-main_003

東京電力福島第一原子力発電所の事故で福島県から横浜市に自主避難してきた生徒がいじめを受けていた問題で、横浜市教育委員会が、生徒が同級生に多額の金を払わされているという情報を把握していながら、スクールソーシャルワーカーなどの専門職員を学校などに派遣していなかったことが、教育委員会などへの取材でわかりました。

この問題は、原発事故で横浜市に自主避難してきた現在中学1年の男子生徒が、転校してきた小学校でいじめを受けていたもので、横浜市教育委員会は当時の対応を検証しています。

男子生徒は小学5年生の時、同級生に150万円ほどを払わされていたことが明らかになっていますが、横浜市教育委員会がこうした内容を両親のほか、警察や学校からも相談や報告を受けていたにもかかわらず、スクールソーシャルワーカーなどの専門職員を生徒や保護者、それに学校に派遣していなかったことが教育委員会などへの取材でわかりました。

さらに、男子生徒は小学3年生の時から、教育委員会の相談窓口でカウンセリングを受けていましたが、生徒が相談した内容もプライバシーなどを理由に学校側に詳しく伝えられていなかったということです。

横浜市教育委員会は、いじめに対応する仕組みはいくつもあったにもかかわらず機能していなかったとして当時の対応を検証しています。



男子生徒の両親 「八方ふさがりになった」

「いままでなんかいも死のうと思った。でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」。こう手記に記したいじめを受けていた男子生徒の両親が、23日、報道各社の取材に答えました。

この中で父親は、教育委員会や学校の対応について「スクールソーシャルワーカーなどの制度は知りませんでした。学校が説明してくれればこちらも対応できたのに、『これ以上対応できない』とつっぱねられてしまいました」と不信感をあらわにしました。

また母親は「こちらが訴えても訴えても教育委員会は、『学校を指導はできるが学校との話し合いには介入できない』と繰り返すばかりで、私たちは八方ふさがりになってしまいました」と当時の苦しかった胸のうちを明かしました。

そして父親は、現在の男子生徒の様子について、「子どもは、今、フリースクールに通っていて、学校が楽しいとようやく前を向いてくれています。そして『自分と同じようにいじめを受けている人たちには苦しくても生きてほしい』と話しています」と今の生徒の言葉を紹介していました。




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